主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

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昨年の暮れ、教区本部から、大きな封筒が送られてきました。小教区を担当している司祭なら、それの中身が、レントゲン写真を見る技師のようにわかってしまうものです。

封筒の下の方に赤文字で「提出期限2022年1月20日(厳守)」と言明されています。袋の中身は統計用紙です。つまり、一年、その教会で、数字に表せるようなことを、前年と照らし合わせながら、その変化を所定の欄に記入して、提出する用紙なのです。つまり、5年ごとに行われる国勢調査の教会版です。教会は毎年、国勢調査に似た厳正調査を行っています。教会では、調査という言葉を使わず、現勢報告という言葉で表しています。通常、「統計」という単語でわかるようになっています。

内容は、洗礼、転入、転出、死亡が主で、あとは、ミサがどのように行われているか、求道者(入門講座参加者)はいるか、教会学校はどうなっているか等々の欄があり、それを見れば、教会の動きの概要がわかるようになっています。先述の通り、この報告は、毎年出されているので、昨年の報告と突き合わせてみれば、その教会の一年間の活動の様子が出てきます。かなり正確な数字です。

教区本部が、提出期限を設定し、厳しく守るように言うには、訳があります。それは、この報告を、教会の究極的な本部に出さなければならないからです。本部は、当然バチカン(ローマ)です。

バチカンの担当省庁は、毎年、カトリック教会の現勢を全世界に公表します。「ただいまの、地球上のカトリック信者は、何人です。」という報告です。各国の新聞にも載ります。だいたい何人かという数字ではなく、正確な数字です。昨年洗礼を受けてカトリック信者になった方、ご高齢で帰天された方も、その数字に正確に入っています。

さて、日本全体は大きく16の地域に分けられて、それぞれの地域にはどれだけの教会があって、どれだけの信徒がいるかもはっきりしています。

毎年、中央協議会から発行されている「カトリック教会情報ハンドブック」の表紙の裏にある「日本のカトリック教会16教区」見ればわかります。北は北海道(札幌教区)から、南は沖縄(那覇教区)まで、わかりやすく、地図を乗せて記載されています。

この「情報ハンドブック」は、毎年更新されますので、日本のカトリック教会の最も正確なデータと言ってもいいでしょう。このために、前の年に、全てのカトリック教会、カトリック系の学校、施設、団体に問い合わせて、記載するという手続きをとっています。

この「情報ハンドブック」には、毎年、特集として、今、日本のカトリック教会が直面している重要なことが掲載されています。これは見逃せない記事です。

というわけで、教会は、いつも、あいまいな情報ではなく、ありのままを正確に伝える努力を怠っていません。もちろん、発表されているデータだけでカトリック教会がわかるというものではありません。でも、探そう、知ろうという気持ちさえあれば、すぐ身近に、資料も、詳しいデータも置いてあるし、見ることも調べることもできるようになっています。

さて、統計ですが、提出期限の1月20日はすぐにやってきます。一つの教会が提出を怠ったならば、全体の数字は出てきません。ましてや、二つ三つの教会が出してこないと、まとめの作業は、進みません。教区本部の係りの方を困らせないように、20日を待たずに出すことにしましょう。

ところで、統計用紙の記入項目を満たすために、どういう帳簿(台帳)をひろげなければならないのでしょう。

まずは、洗礼台帳でしょう。この一年間の受洗した方の名前が出てきます。ページごとに通し番号が書かれていますので、この教会が始まってから昨年までの受洗者数がわかります。洗礼を受けた日時、誰が授けたか、代父代母は誰で、霊名はなんという聖人からとったかもわかります。この洗礼台帳には、その後受けた堅信の秘跡や婚姻のことも記入されるようにできています。次に見るのは堅信台帳です。堅信の秘跡だけの独立した台帳です。そして、次は、婚姻台帳です。そして台帳の最後は、死亡台帳です。

その他、転入転出のノートもありますし、信徒本人の基本的データが記録されている信徒籍台帳があります。これがお役所の戸籍簿にあたります。どこで洗礼やその他の秘跡を何時どこで受けたかが記されています。かつて、ヨーロッパで、教会が、お役所の役割を果たしていた時の伝統ですが、それなりに、現在でも、大切な役割を果たしています。

ちなみに、清瀬教会の信徒総数は千三百余名ですが、この数字は、ここ十年大きな変化はありません。

西川神父絵