主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

IMG_2082 コピー

久しぶりに、スズメさんのことを報告します。季節が夏から秋へと移ってもスズメたちが、餌を食べに集まることには変わりありません。朝、昼、晩と、三食とも決まったメニューです。餌は決まって「小鳥の餌」という、会社が出していて、車で15分くらいのところにあるホームセンターで売られています。それは一袋8kgほどの重さで、一回に2袋買います。

清瀬に来たばかりの頃が懐かしいです。都心では考えられないほど、たくさんのスズメがいるのに驚きました。それも、教会と、隣の団地のあいだにある、さほど大きくない木に群がって「チュンチュン、チュンチュン」と、さえずっているのです。もちろん、都心でも緑地はたくさんありますし、スズメもいっぱいいます。しかし、清瀬のスズメの数には驚きました。

信徒会館の二階の一部に司祭館が設けられていて、ダイニングキッチン側がベランダになっているので、教会の中庭(通常は駐車場)が目の前に見えます。大きく育った桜も、右端にあるマリア像も眼下です。先ほど出てきた団地はベランダの左側です。間は20メートルほどです。

ある日、賞味期限の切れた菓子を手で揉んで、ベランダに撒いてみました。はじめは何の反応もなかったのですが、数時間経って、ふと見てみるとスズメが数羽、それを食べていたのです。そこから、スズメとの付き合いが始まりました。

お菓子はすぐになくなりました。困りました。朝、チュンチュンと鳴いて、食べ物をねだります。何もやらなければ、もちろんきません。団地と教会の間にある木、スズメたちが宿にしている木で、チュンチュンと鳴いているさえずりが聞こえてきます。なんとなく催促されているような気がして落ち着きません。暇を見て図書館に行き、スズメについて参考になるものを見ましたが、食べ物については、雑食で虫、草の実、米、麦、等々としか書いてありません。

信者さんで、詳しい方を教えてくださったので、そっと、電話をして聞いてみたら、「うちでは、食べられなくなった古々米をあげています。」とのことでした。スズメはチュンチュン騒いでいるし、コマッタコマッタと頭を抱えているところに、一条の光が差し込みました。ホームセンターです。いつもは、釘か板しか買わないのに、サインペンが必要だったので、文房具コーナーに行ったところ、なんと隣がペットコーナーで、天井から「小鳥の餌」という看板が吊り下がっていたのです。小鳥の餌ということは、スズメの餌にも通じるのかなと、私の頭の中を通り抜けました。近寄ってみると、文鳥からカナリアまで、どんな小鳥にも喜ばれますというような宣伝文句が書かれているのです。値段を見ました。大中小の袋があり、ちょっと高い感じがしましたが、困っていましたので、私はこれに決めました。

とりあえず中型の袋を買い、ベランダに少しまきました。すぐには来ませんでした。しかし、気がついたらベランダはスズメやヒヨ、それにムクドリまでが顔を出していたのです。

始めは適当な量をまいていましたが、後から来た鳩が10羽ばかりで、エサのほとんどを食べ尽し、肝心のスズメさんたちは周りで見ているような感じになっていたのです。鳩の食べ方は凄まじいものがあります。「これは、スズメさんたちのために用意した餌です。あなたたちも食べていいですが、スズメさんたちにもとっておいてください。」という看板を立てたいくらいでした。

スズメを守りながら、鳩にも満足してもらう方法をいろいろ考えました。スズメさんたちには、目の細かい、ステンレスの網を使いました。以前に、庭の花壇の土を作るために作ったふるいに使った網が残っていましたので、それを使って作りました。見ていただくと「なるほど〜」と思われるに違いありません。体の小さいスズメだけが入って食べられる食堂です。低い入口をくぐって今でも、毎日、スズメさんたちが「小鳥のエサ」を食べています。

鳩たちは、使わなくなった土鍋の器に大きな目の網をかぶせ、網の目から首を突っ込んで食べるという方式です。鳩たちが背伸びをして首を突っ込みエサを食べている姿は壮観です。実は、鳩用のカゴの目はとても大きく、スズメさんたちはその目をくぐって中に入り、餌にありつくこともできます。いろんな方法を繰り返しながら、鳩もスズメも共存できる餌箱にたどり着きました。

さて、以前にも報告しましたが、スズメが集会所として使っていた木が、昨年の団地の枝払いで入った業者によって丸坊主にされ、スズメがパニック状態になりました。しばらく、集会所を求めて放浪していたスズメさんたちが新しく止まるようになったのが、教会の桜の枝でした。教会の庭から見て一番左の木です。司祭館のベランダから約20メートル。寝る木はまたどこかにあるみたいで、昼間の食事時間だけの基地にしているようです。それはそれでいいのですが、餌をタップリ食べた後は、桜の木に帰って糞(ふん)をします。実はそこに私の車が置いてあるので、車はいつも糞だらけです。時々水で濡らしたタオルで拭いていますが、人の車でなくてよかったと思っています。

西川神父絵