主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

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緊急事態宣言が解除されて、多少の制限は残っていますが、とりあえず、教会も、通常の状態に戻りました。三日の通常ミサは、大体、席が埋まりました。たくさんの信徒を前にして、緊張しました。「聞こえないよ」という表情が見えましたが、とりあえず、津和野の殉教者のことを語り、列聖列福のための調査が昨年から正式に始まったことをお伝えしました。

小冊子「津和野 乙女峠の証し人(あかしびと)」が、145冊売れました。委員長代理が、ミサ後に「長崎の信徒がどういうわけで津和野に連れて行かれ、殉教していったかが詳しく説明されています。良い本です。一冊100円です。どうぞ買ってください。」が効いたのでしょう。

殉教者が流した血が信仰を育てる種になる」と言われてきました。日本は徳川幕府のキリシタン禁教令250年の間に、何千人かの殉教者をだした記録が残っています。信仰を力で抑えたり、根絶やしにすることはできません。

半年も続いた緊急事態が解除されて、通常のミサができるようになったので、制限ギリギリまで集まったミサで、津和野の殉教者のことを聞かされるのも、父なる神の計らいかもしれません。禁教令が解かれて、長崎浦上の信者が、故郷に帰った時の喜びと、長い緊急事態が解かれて教会に集まった信徒の喜びに、なんとなく共通するものを感じます。

信徒会館前で開かれたミニバザーも盛況でした。「えっ」て驚くほどの値段を見て、「買わなきゃ損損」と思ってしまうようになっていました。買いたいけれど重いので買えないと言って残っていたラーメン丼(どんぶり)も、結局、「売れましたよー」という報告でした。10円20円で売ったミニバザーも、集計してみれば、バカにならない数字。新しい聖堂の何かになり、集まった方々の小さな小さな喜びの種になるのです。それは、戦後の東京の教会を生み出したケルン教区の信徒の小さな小さな献金に通じています。

久しぶりにお会いした信者さんに、色々聴きました。「どうしてましたか?」はい。色々やることがあって、結構忙しくしていましたよ」「1日に二回は、スーパーに買い物に行きましたよ」「早く行くか、それとも、値札が変わる頃に行って買っていました。」「安いものは、人集めだから、それに合せて行かないとダメなんです。」「じっとしてテレビにかじりついていたら、いいものは手に入らないようになってるんですから」「そうでしたか。ご苦労さんでした」。

そういえば、新聞に入ってくる折り込み広告に、数限定、とでているのを思い出しました。「1日に二度は、スーパーに買い物に行きます」にはいろんな意味があるんだと納得した次第です。

教会の郵便受けには、いろんな郵便物が入ってきます。かなりの量です。一応全部開きます。司祭によっては、見え見えのカネ集めのものは、開けないで捨てる方もいるようですが、私は一応全部きちんと開けます。それはかつて、似たようなこと、つまり、カネ集めをやったことがあるからです。趣旨を書き、パンフレットを入れて出しました。「読みました」「頑張ってください」と返事があり、わずかですが振替用紙を使って送金していただきました。それを見て係りのかた、アルバイトとして交通費だけで手伝ってくださっていた方々と喜びあった経験があるからです。返事が来るのはありがたいものです。

さて、郵便物の内容の大半は商品販売のダイレクトメールです。そのほか修道会やミッションスクールの行事案内が入ります。そして、東京都や清瀬市からのものが入ってきます。普通の新聞紙のタブロイド判に、挨拶や行事案内が隙間なく活字が詰められているので、さらっと目を通して終わります。

ところが、紙といい、イラストといい、表情が伝わってくる写真まで、気の利いた広報誌が入ってきました。タイトルは、「ミズスクエア」、きよせ女性広報誌なのです。紙も違います。これが、清瀬市の広報誌かと思えるほどの出来なのです。つまり、お金がかかっているということです。中身を紹介しておきましょう。特集「ウイズコロナ時代を生きる」とあり、立場の弱い方々が、閉ざされた環境の中でどう生き抜いてゆくかを、仕事、健康、家事、暴力のジャンル別に、分かりやすく、掘り下げている考察はすぐれていて、どんな人にも考えるヒントを与えてくれそうなテーマです。

女性広報誌だけあって、女性の家事負担の陰に「名もなき家事」があることを、リストにして出してあるのには驚きました。毎日を限界を感じながら生き抜いているお母さんたちの声なき声です。参考までに列記しておきます。

①毎日の献立を考える。②クリーニングに出す、受け取る。③不要になったものを処分する。④シャンプや洗剤の補充。⑤各種手続き。更新解約、登録など⑥宅配便の受け取り、再配達の手配。⑦手を拭くタオルを取り替える。⑧洗濯物をたたむ。⑨ペットボトルのラベルをはがす。⑩学校の持ち物をチェックする。⑪学校の検温カードの記入。⑫消耗品の確認。⑬家の周りを掃除する。⑭排水口のゴミを取る。西川神父絵