主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

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先々週のことです。委員長(代)から連絡がありました。2地区のCさんから、「大きな鏡があるのだけど、使えるかどうか、神父さんに訊いてほしい」という内容です。親戚の方が引越しをするために荷物の整理をしているのだけど、鏡だけは持って行けないので困っているということで、姪御さんに当たるCさんが相談を受けたそうです。

私は、「大きな鏡」と聞いただけで興味が湧きました。「大きい」とは、どれくらいのものか、「とにかく、見てから判断します」と返事をしていただき、早速、Cさんに現場に連れて行ってもらうことにしました。

その家は、清瀬駅北口から車で10分足らずのところでした。30年以上も前に建てられた市営住宅です。おそらく、一面畑という土地を、市の開発政策で農地を宅地に変え、住宅を何十軒と建てたのでしょう。

引越し最中らしく、家の中はごった返していました。よく見ると、敷地は広くて、部屋を増築したり、縁側を作ったり、小さいながらも、日常の野菜には困らないほどの畑もあって、ちょっと贅沢な感じもしました。

早速、その鏡を見せてもらいました。そして、すぐに、「これは使える」と思いました。少し説明をしましょう。大きさは、縦150センチ、幅60センチです(スケール持参でしたから)。どっしりとした厚さです。近づいたり、離れたりして見てみました。歪みがありません。これはガラスの板としても上物です。

ともかく、変な倒れ方をしたら、粉々に割れてしまいそうな、なんの枠も、防御もない、一枚の、重たい鏡が、同じくらいのベニヤ板に支えられて保存されてきたのです。

Cさんに聞きました。「何に使ってこられたのでしょうか、姿見とも思われませんが」すると、「私が聞いた範囲では、趣味の手品の練習に使っていたみたいです。頼まれて、老人ホームや子ども会などで実演していたようですよ」という答えでした。

取り次いでくださった委員長(代)も、「バザーの古着コーナーで使えるんじゃないかしら」と言っていましたが、私も同意見でした。最近は、豊かになったので、衣料品はどこでも不人気です。みなさん、新しいものを買われるので昔みたいに、古着に人だかりができるのは珍しいくらいです。しかし、根強い人気があるのも「古着コーナー」です。そして、必需品は鏡です。50センチくらいの鏡に「似合うかしら」と真剣に見ている姿を見て、大きな鏡があったら、古着も引き立つだろうと思うったことがありました。私の頭の中で、教会バザー、古着コーナー、そして大きな鏡と結びつきました。「これは使える」と思った所以です。

ところで、縦150センチ、幅60センチのガラスを、どのようにして運ぶのか、まさか、車の屋根の上に乗せて縛って運ぶことは危ないことです。レンタトラックを借りると、半日分か1日分を取られる。Cさんも、親戚の方も「どうやって運ぶのかなと思われていたことでしょう。答えは簡単です。私(西川)の車は、分厚いベニア板を2〜3枚、楽に運べるようにできているのです。みなさんびっくりしておられました。

さて、さて、この鏡を持ち運びでき、気軽に使えるようにするにはどうすれば良いか、このことが。私の大工心をくすぐりました。バザーだけではなく、結婚式とか何かの行事に簡単に取り出して使えるようなものにすることができるのか。つまり、どでかい鏡台の作成です。

早速、必要な材料を求めてホームセンターに走りました。実は、教会の西側の三室ある倉庫のうち、向かって左の部屋の、昔、ガールスカウトが使っていた部屋は、私が赴任してきて、月曜大工をやるための部屋になっていて、その部屋には、ホームセンターで安く買ってきた小さな材木が山と積まれています。

特別に買ってきた材木が少し、あとは、あり合わせの材料を、切ったり、貼ったり、ねじ釘でくっつけたりして、作っていくのです。今回は、ガラスが主役なので余計、苦労をしました。釘が使えないところは、ボンドをたっぷり使いました。

日曜日は午前中は教会委員会や、ご聖体を拝領される方がいらっしゃいましたが、午後は鏡台作りに全力投球でした。実は、左膝の人工関節化手術後、教会に帰ってきてから、月曜大工を控えていました。しかし、やっているうちに、知らず知らずに、熱が入ってきます。体も動くようになってきているということかもしれません。

今年は無理ですが、来年はバザーがあるでしょう。そうしたら、この無骨な鏡台が古着コーナーでお役に立つかもしれません。かつて、「神父さん、古着コーナーのために試着ボックスを作ってくださいと」というリクエストがありました。その時は時間がなくて作れませんでしたけれど、来年なら大丈夫です。作りましょう。

西川神父絵