主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

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東京教区では三年前から、教区で働くカテキスタの養成をしています。教会の掲示板に、その希望者を募集するポスターと、一年の養成講座を修了してカテキスタに認定された方々を紹介する写真入りのポスターが貼られているのをご覧になったと思います。

今までは、教会の司祭やシスター、たまには、信徒の方が、入門講座を開いて、その講座に通い、少なくとも25回から30回は勉強の期間を経て洗礼に至るという道筋がありました。しかし、シスターの高齢化で頼むことが難しくなり、信徒で講座を担当する方もまれになり、結局、その教会の司祭が担当して、洗礼まで面倒を見るパターンが続いていました。

洗礼を受ける方は、否応なくそこの司祭の影響を受け、受洗してからも、そのままその教会の所属の信者になるわけです。その教会というより、その時の司祭の信者になるという傾向がありました。それはいい面もたくさんありますが、足りないことも出てきます。司祭が替わると教会から離れる信徒も出てきます。その悪弊を正すため、司祭から入門講座の重荷を肩代わりするために、生涯養成委員会が司教様の指示で引き受けたのがカテキスタ養成でした。

カテキスタは、洗礼希望者にキリストが弟子たちに教えたことと、その教えを教会が理解し、伝えてきたこと、それを今の社会で生きる術を、一年かけて学習し、洗礼希望者に教えることができると、養成スタッフが認定し。司教が証明した方々です。つまり洗礼を希望する方々を、第一歩から導いて教会に入門するまでを手伝う方々です。

今のところ、数多い教会に一人ずつ派遣するほどの人数はいません。そこで、カテキスタが入門講座を開く拠点教会を指定し、その教会に行くよう勧めてくださいという用紙が来ています。入門講座を希望している方を、その教会に行くよう誘ってくださいと言われても、少し難しいことがあります。

それは、洗礼を希望して門を叩いた方の気持ちです。やっと、その希望を受け止める教会を見つけて、洗礼を受けることにして門を叩いた道のりは無視できません。つい、その気持ちを受けて、「受洗までお手伝いをしましょう」ということになります。洗礼は生まれ変わるということであり、その場所を選ぶという意味合いもないことはないのです。

このコロナ禍の中で、都心に往かせるより、近くの教会で洗礼の準備ができるということは、自然の流れです。

長い言い訳のようになりましたが、今、清瀬教会で4名の方が入門講座を受けておられます。皆、マンツーマンです。つまり洗礼を希望している方と司祭が週に4回、個別に入門講座を受けているというわけです。曜日にしたら、水曜、木曜、土曜、日曜日で、所用時間は約一時間です。時には、時間オーバーすることもあります。

どのような内容かということを少し紹介します。教科書を使います、今は無くなりましたけど、あかし書房という出版社の「カトリックの信仰」という入門書です。編纂したのは鹿児島教区司祭評議会で、初版は1981年です。つまり、出版されてから今年で40年経つ代物です。私はこの入門書に出会って、内容の素晴らしさに驚きと敬意を感じ、未だにその気持ちは変わりません。新書版の小さな入門書ですが、これで十分と思って使わせております。

講座の進め方は、求道者の方に何ページかを読んでいただき、しばらく味わいながら、受講者の顔を見ながら、大切なところ(どういうわけか、大切なところはゴシック体にしてあるのです。)を少し説明し、質問に応じます。説明をすると、さらに質問が出てきます。それで、どれくらい理解ができたかを知ることができます。わりと難しいテーマが、分かりやすい日本語で見事に説明されているのを、未だに、「素晴らしいなー」と思っています。40年経っても古さを感じさせないということは、どれほど、深いところがわかった方々が、この入門書を書かれたかということですね。わかりやすさは、やはり、日本語の問題でもあります。いい日本語で、教理を説明することは、教会書には不可欠な要素だと思います。

その日の講座の終わりに、自由な質問時間を作っています。その日に習ったことに限らず、自由に質問していいよろしいと言ってありますのでいろんな質問が出てきます。それぞれ、的確な答えは出せません。しかし、どういうことで悩んでおられるか、何にぶつかっておられるかが推測できます。何か忠告か助言をしたいところですが、それもできません。ただ耳に収めておくだけです。

我田引水になってはいけませんが、教会は、心の拠り所として、受け止められていることを強く感じます。いざとなったら教会に行けば、何か心の支えをいただけるという、淡い信頼感です。教会の門はいつも開かれています。そしていつも待っています。「入門講座を受けますか」と訊(き)いて、「はい」という返事がかえったら、即、日程(何曜日何時から)の調整に入ります。

西川神父絵