主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

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夜、教会にいらっしゃる方は、ほとんどいません。新型コロナのウイルス感染が生活に異変をもたらす前、つまり、今年の2月までは、聖書の勉強会や入門講座、それにちょっとした集まりが教会で行われていました。今は、何もありません。

昼間は、掃除や受付当番の方が来てくださいますし、新聞屋さんや郵便配達の方も来ます。夜は、早くから、門扉を閉めて、開店休業のような状態です。このような状態が半年近く続いています。どこもそうですが、人の集まりには警戒の目が向けられ、町全体がひっそりとしています。

何しろ、感染力の強いウィルスが、人から人へと伝染し、抵抗力の弱い人を狙って、呼吸器や循環器を破壊して死に追いやるというイメージですから、緊張感が漂うのも無理からぬことです。抵抗力の弱い老人、若くても、既往症のある方は、どこかで、臨戦状態の只中にいるような感じでしょう。私も、そのうちの一人なので、気をつけています。

さて、最近、気になっていたのが、通りに設置されている教会の看板のことです。表の通りギリギリ、つまり、教会の敷地すれすれに大きく「カトリック清瀬教会」という看板が建てられています。桜の大木が枝を張って出ているので、なかなか見えにくい状態になっていますが、近づけば、立派な看板であることがわかります。

昼間は、なんとか見えるのですが、夜になると、近づかないと見えません。全体が、プラスチックの箱のように作られていて、中に蛍光灯がつけられ、暗くなる(夜間)と、自動的に点灯され、外灯兼用のようにもなっています。プラスチックの箱の中の蛍光灯は、一本や二本ではなく、かなりの数が装填されていいます。考えてみれば、豪華な看板であるとも言えます。

誰からともなく、看板の中の電灯が切れているという指摘があり、委員さんの耳にも届きました。そこで、設備担当の委員さんは「どうしよう、誰か詳しい人はいないかなー」と思い巡らし、声かけが始まりました。

印象からすれば、箱の一部を外して、蛍光管を取り替えればいいだけということなのです。ちょっと心得のある方なら、何とかなりそうな感じです。いろいろと当たっておられましたが、いい人が見つかりません。場所が場所ですし、高いところでする作業も入っていますから、それなりの道具も必要でしょう。

結局、ことが電気のことなので、設備担当委員さんは、気軽に来てくれる電気屋さんに、声をかけ、なんとか引き受けてくださることになりました。

数日後、電気屋さんが、軽トラに道具や材料を積み、お二人で来てくださいました。要するに蛍光管を取り替える仕事なので、車から脚立を下ろして、看板のそばに建て、蓋(ふた)になるような部分を取り外す作業を始めたのです。

プラスチックのふたのような部分は、金属の枠にはめられており、その枠に、ネジで止められています。ですから、ネジを外して枠を外し、カバー(その板に教会の表示が書いてあります)をとって蛍光管を取り替える作業に入るわけです。実は、その作業の段階で、これは電気屋の仕事ではないと判断されたようです。ネジを外すことも、蓋になっているプラスチックの取りはずすことも特別な仕事であることがわかり、元どおりにして降りてこられました。「申し訳ありません」とおっしゃいましたけど、「変な仕事をお願いしてすみません」と整備担当の委員さんが、盛んに謝っておられました。

「これは、やっぱり看板屋さんに頼むしかない」と言いつつ、ある方に、看板屋さんを紹介してもらったのが正解でした。何日かして、やはり軽トラで看板屋さんがやってきました。やはり二人のチームです。12時に行きますという話でしたが、お昼ご飯はどうされるのかと思っていたら、ほぼ正確にいらっしゃいました。一回目のことがあったので、そばについてじっと作業の進み具合を見ていました。

まず二人で、看板の作りや脚立の立て方を見計らっていましたが、様子がわかったらしく、脚立に乗っかると、ネジを外し始め、あっという間に、金属の枠を外し、蓋になっているプラスチックの板をとって、下にいる同僚に渡したのです。その同僚は、下に毛布を広げて包み、貴重品を置くよう縁石に並べておきました。

それから、上にいる方が、蛍光管を外して行きました。8本使っていましたが半分は切れていました。それに、蛍光管が発光するために必要なグローランプが、全て、真っ黒になっており使用期限を超えていました。「どうしましょうか」と言われたので、「取り替えてください」と言いました。「それでは、買ってきますので時間をください」「お願いします」で出かけて行きました。

30分足らずで、看板屋さんが帰ってきました。すぐに取り付けが終わり、看板のプラスチック板の取り付けも終了しました。取り付ける前に、そのプラスチック板を綺麗に清掃していました。「5年は問題ないと思います。もっともつかもしれません。後ほど請求書を送ります。最初の請求額に、プラスアルファになるかもしれません。古い蛍光管の処理代です。」脚立を、軽トラの天井に括りつけると、さっと帰って行きました。所要時間2時間半。看板屋さん、お見事でした。

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