主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)

IMG_2082 コピー

教会学校を支えてくださっていたシスターが二人、立て続けに退任されて、赤井校長を始め、数少ないリーダーは、頭を抱えてしまいました。特に、20年(つまり今年)の六月に予定されている初聖体の勉強を誰にやってもらうか、喫緊の課題でした。

初聖体の勉強を担当していたのは、シスター弓野で、任せて安心の適役だったのです。受ける子供たちも、子供達の保護者さんたちも、シスターが今年もやってくださると思ってらっしゃったでしょう。しかし昨年末から、シスターが健康上の理由で期待に応えられなくなったのです。

悩みに悩んだ挙句、神父にやってもらおうじゃないかということで、使者が私につかわされてきました。私は、二つ返事でOKを出しました。あっさり「いいよ」と言われて、気抜けしたような顔をしていました。断られるとでも思っていたのでしょうか。

さて、カトリック教会の素晴らしい伝統の一つは幼児洗礼です。子供が生まれたら、あまり時間を置かないで洗礼を授ける。今はどうか知りませんが、50年前だったら、長崎のある地域では生まれたら、役所に出生届を出す前に、教会に抱いて行って洗礼を授けてもらう習慣があったようです。ある人の「信者籍台帳」を見たら、生年月日より受洗月日が早く記載されていました。それとなく本人に確かめたら、やはり、役所に行く前に教会に行って洗礼を授けてもらっていたことがわかりました。帳簿の上では、生まれる前に洗礼を受けたことになっているのです。

幼児洗礼を受けた子は、成長してゆく過程で、ある日から大人に混じってご聖体をいただく時を迎えます。それが初聖体の日です。親に連れられてミサに行き、大人や大きいお兄ちゃんお姉ちゃんが神妙な顔をしてご聖体を頂くのに、「あんたは、まだだよ」と言って頂けない悔しさを味わったエネルギーが、初聖体の準備に込められて行きます。本人たちだけではなく、親たちにとっても言葉に表せないほどの喜びの日なのです。

では、いつ頃初聖体をいただくかというと、日本では小学校2年生ということになっています。1年生でも3年生でもありません。2年生なのです。でも、これは原則であって、いろんな都合でなんとでもなります。ただ、一応原則を作っておかないと、しめしがつかないことになりかねません。一年生では学校生活に慣れていないし、3年生だと学校が忙しくなり、ちゃんと準備ができないことになったりします。結局、2年生に落ち着いたのだと思います。外国から来た司祭に訊(き)くと、ちょうど日本くらいの年齢でした。

今年は5人の子たちが勉強に入ります。皆2年生ではありませんが、ともかく5人集まりました。最近、どの教会でも初聖体の子が2人とか3人とかが珍しくありません。昔(30年、40年前)なら、10人や20人いても驚かないくらいでした。今、教会には子供がいないのがあたりまえになっています。「夏のキャンプにバスを借り切って行きました。総勢40人いました。そのうち、子供は5人でした。」という話は珍しくありません。

さてさて、初聖体の勉強を始めるにあたっての私の方針は、次の4つです。

1、子供と親が一緒に勉強すること。2、教科書はやさしいものを使うこと。3、授業の時間は30分だけ。4、宿題は気の済むまでやってくること。

教科書は、女子パウロ会が発行している「うれしいはつせいたい」です。私が担当した時は、いつもこれを使ってきました。他の教科書と比べたりはしませんが、「うれしいはつせいたい」はよくできていると思います。製本がしっかりしているので、感想を書いたり、色を塗ったりしても、本そのものが傷むことはほとんどありません。大きくなって、ふと思い出して取り出してみると、その頃の自分をしっかり映し出されて、感慨無量になったという話を聞いたことがあります。

勉強の目的の一つは、親にあります。子供に分かることは親にもわかります。聖体の秘跡は、カトリックカテキズムの要(かなめ)です。ご聖体が、父なる神の愛の結晶であることを何回も何回も説いて行こうと思っています。親子でご聖体の愛の深さを知っているということは、なんと素晴らしいことでしょう。何か新しい知識を学ぶのではなく、「友のために命を捨てる、これ以上の愛はない」と説いたイエス様が、その自分自身を食べさせ続けておられることを、「なるほど」と思えることが、最終目的です。

初聖体を済ませ、ミサに出るたびにご聖体を受け続けると、子供が少しづつ変わってきます。聖体拝領の行列に入る時、すでにこれから自分が何をしようとしているかを理解しています。ふざけていただくようなものではないことをよく知っています。「取って食べなさい、これはあなたがたのために渡される私のからだである。」が、なんとなくわかっているからだと思います。

初聖体の日は、教会によって多少の違いはありますが、だいたい、キリストの聖体の日(祭日)で六月の月内にあります。今年は六月十四日です。

約4ヶ月後です。長い旅が始まります。楽しみ、楽しみ。

795316b92fc766b0181f6fef074f03fa-2