主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)
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ただのダリヤなら、どこにでもある。ダリヤにも、種類が沢山あって、赤色の花が多いが、黄色もピンクも、たまに白っぽいのもあります。大きく育つと、目の高さまでになるのもあります。ボタンの花に似ているので天竺ボタンとも呼ばれているそうです。天竺とはインドのことで、花が似ているとともに、やはりインド地方から流れてきたような話もあります。

ダリヤはダリヤでも、名前が皇帝ダリヤという花が、教会の庭に二本あるのです。ちなみに、このことを数人の方に訊ねたところ「知っていますよ。茎が長い花でしょう」という方がいましたが、それ以上に、「知りません、どこに植えられているんですか」という方が何人もいました。もちろん知らないからといってどうってことはないのですが。

実は清瀬に赴任して、竹のような節のある植物が地上1メートルくらいの高さで、香部屋の外の花壇にあるのを見て、これは一体なんだろうと思ったのです。よく見ると、折られたような節の先から、すでに10センチくらいの芽がニョッキと出ているのです。何もわからない状態だったので、とにかく見ていようということにしておきました。すると、二ヶ月ほど経った時、その芽が50センチほど伸びて、しかも、竹のように節を作って次の芽にバトンタッチしているではありませんか。

気がついたら、別の茎が地面から二本突き出してきて、これもあっという間に1メートル近く伸びて、小さな林のようになってきたのです。毎朝、御ミサの前に教会の敷地を一回りしますが、それと同じ植物がもう一本、生えていることも発見しました。それも、すでに2メートルくらいに伸びていました。そしてある日それが何であるかがわかる日がやってきたのです。それは、ひょんなことで、教会の受付ボランテアをしてくださっている木野さんが「私が植えたのです。名前は皇帝ダリヤと言って、竹のように何メートルも伸びる植物で、11月頃、ちゃんと花も咲くんです。あまり伸びないうちに、支柱を立てて、支えなければならないのです。竹のように伸びるんですが、すぐに折れてしまうんです。」とのことでした。そして、何日もしないうちに、手伝う方を連れてきて、しっかりした支柱を立て、折れないようにされました。

それから夏の間、ぐんぐん伸びて、4〜5メートル、いや、それ以上に伸びました。先がふらふらしているので、支柱に接ぎ木してさらに高くしました。そこへ台風がやってきたのです。香部屋の裏のは、そばのヤシの木に支えられていたのでなんとかなりましたが、もう一本、聖堂入り口のは、約2メートルのところで折れました。でもよく見ると、節目でポキンと折れているのではなく、幹の真ん中でグンニャリと折れていたので細心の注意を払いながら元のように伸ばしました。しかしそこは裂けていて半分は切断状態でした。下手をすると、全面的に切断になりかねない状態でしたので、そろりそろりと、立て直しの手当てをしました。半信半疑でしたが、1週間後、繋がっていることがわかりました。

千葉県、茨城県に甚大な被害をもたらした台風15号、清瀬教会での被害は、皇帝ダリヤだけでした。そして、木野さんの予告通り、11月に入った先週、つぼみの一つが開花しました。あとはどんどん咲くだけです。大きな幹で高さ5〜6メートルのところに咲いているので間近に見ることはできませんが、たくさん、花がついています。木野さんによると、霜にとても弱く、霜を浴びるとたちまちグンニャリしてしまうそうです。11月も半ばを過ぎてしまいました。月末には霜が降りるかもしれません。いまのうちにしっかり見てあげてください。

花が散った後どうなるのかと木野さんにお聞きしたら、バッサリ切ってしまうのだそうです。竹のように幹の中は空洞で、しかも柔らかいので簡単に切れるとのこと。すると来年、そこからまた芽が伸びるそうです。何しろ、そばにある樹木にも負けないような高さに伸びて、高いところから見下ろすように咲くダリヤです。だから、皇帝ダリヤと呼ばれるようになったのでしょうかと木野さんがおしゃっていました。

先週、病院通りの近くにある清瀬市図書館に行き、膨大な、植物系の書物を10冊ほど当たってみましたが、皇帝ダリヤの項を探すことはできませんでした。それにしても、清瀬市図書館の二階には植物関係の書物が豊富です。自然豊かな清瀬にふさわしいなと思いました。

図1