主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)
西川神父

教皇様の来日が日本政府から正式に発表され、13日に、教区本部からファックスで具体的な日程と、教皇ミサについての具体的なことが伝えられました。思えば、昨年から日本にいらっしゃる噂が流れ、本当にいらっしゃるのかどうか、半信半疑の状態で半年以上過ごしていました。そして、現実的な情報が流れているのに、正式な発表が遅れに遅れて、先週やっと、正式に、いらっしゃることが政府発表の情報として、教区本部から伝えられたのです。今度は疑いない決定事項としての発表でした。

バチカン市国の国家元首としていらっしゃるわけですから、皇室、政府及び諸宗教の要人と会い、友好を温める会合が用意されていることでしょう。私たち以上に、一目(ひとめ)会いたいと思っている方々が、数知れず、いらっしゃると思います。教皇様も、時間が許す限り会おうとされています。報道写真や動画からすると、どなたにも、目と目を合わす姿勢です。

3泊4日の日程の中で、二回、いわゆる、教皇ミサがあります。教皇様が主司式をされるミサです。24日の長崎(長崎県営野球場)と25日の東京(後楽園東京ドーム)の二回です。それは、私たちが、たとえ遠くからでも、1時間以上、教皇様にお会いできる機会です。滞在されている間は、ネットの中継でもお会いできるでしょうが、ともに捧げる御ミサに与って、スピーカーを通してお声が聞ける喜びは、何よりも代えがたい喜びです。

教区本部から送られてきたファックスで、どのような手順を経たらドームのミサに参加できるかが、詳しく伝えられました。申し込みが集中することが予想されるので、教区本部事務局長は、丁寧に説明されています。申し込みは早い者勝ちではありません。抽選があります。オリンピックのチケットを取るくらい厳しい関門です。申し込み時間(10月中頃)がせまっていますので、速やかに手続きをとったらいいと思います。詳しいことは教会に問い合わせてください。

申し込みは大きく分かれています。一つは、特設サイトからの道と、もう一つは、教会がミサ参加のために指定した旅行代理店を通してです。その旅行社は、ミサの座席指定チケット付きのツアーとして企画を提供しています。教会として、団体を組んでミサに与かろうと思ったら、旅行代理店を利用する方法も考えられます。代理店のバスには、ドームの指定席も含まれています。

さてミサの話に集中しましたが、教皇様の今回の訪日の目的は、人類初の核兵器の体験地である広島・長崎を訪れて、核兵器廃絶を訴えることにある、と教皇さまご自身がおっしゃっています。ですから短い日程の中に、広島と長崎訪問を入れられたと聞いています。素晴らしいことです。両都市に原子爆弾が投下されて70余年経っても、その傷は癒されていません。広島の方々も長崎の方々も首を長くして待っておられることでしょう。広島や長崎だけではなく、日本国中の「戦争は嫌だ」と心の内で叫んでいる方々が待っておられるに違いありません。この地球を火の海にしてしまう核兵器を保有し、それをバックに自国の優位性を保とうとしていることが、どんなに虚しく、危険なことであるかは、誰にでもわかることです。そんな単純なことが、国を超えて確認しあえないなんて、理解できません。

教皇様のメッセージに、地球家族という言葉が出てきます。この地球という星を守り、次世代、次々世代に渡してゆくことの大切さを説いておられます。それは、自国の利益を第一に置き、自国の優位性を保つことだけを国是とする大国とその指導者に対する厳しい警告になっています。優しい言い方、心に響く表現は、心ある人には、大きな励ましです。大国の指導者たちも、耳を傾けてもらいたいと思います。

教皇様が滞日されている間のことは、詳しく報道されるでしょう。スマホを見れば、小さな言葉も受け止めることができるかもしれません。仏教には「生き仏(ぼとけ)」という言葉があると聞いています。教皇様は、別の意味で、生きて、キリストのことを伝えてくださる「生き仏」かもしれません。日本で過ごされる3泊4日は、まるで一瞬のような感じでしょう。その一瞬一瞬を、目と耳に収めておきたいと思います。

図1