主任司祭 西川 哲彌(にしかわ てつや)
西川神父

先週月曜日、池袋に出て食事をしました。同郷(広島県)の司祭、山根神父さんです。同郷のよしみもあって、以前から、時々、食事をし、尽きることのない話をして「じゃーね」とバイバイしてきました。

4月の末に転任してから、「どうだい、飯でも食べようか」という、いつもの声が掛からないまま3ヶ月が過ぎようとしていた先々週、電話がかかってきました。「何度か電話を入れたが、なかなかつかまらないけど、大丈夫か」というショートメイルも入っていました。早速「大丈夫だよ」って返事を書き、「7月29日5時JR池袋中央改札口」も付け加えておきました。

清瀬も、駅の周りは、都会だけど、池袋は何倍も都会です。駅のホームの人ごみにまみれているだけで、目が回るような感じがします。全体が若い人で占められていて、足を前に蹴りだすように歩いています。ジロジロと見ているわけではありませんが、そろそろ歩く年配者が中にいて、ホッとします。私もその年寄りの一員です。

食事は、西武デパートのレストラン街の、和食屋と決めました。他の店は、順番待ちのお客さんが、列を作って待っています。私たちはがらんとした店に入りました。ちょっと高級な和食屋です。何しろ会計は山根神父さんですから遠慮はいりません。ちょうど土用の鰻の日に近かったので鰻膳を注文しました。お客さんは、私たちと、後から来た方の二組だったと思います。

鰻膳と言いながら、ご飯の上に5センチばかりの鰻が3切れ乗っかっているだけでした。それでかなりの値段です。別に、分厚い鰻を期待しているわけではありません。私たちにちょうどいい御膳でしたし、積もる話に花を咲かせてくださってありがたい時間でした。

会話は、ほとんど広島弁です。広島弁と言っても、地域によって多少違いがあるので簡単ではありませんが、山根神父さんの呉と私の海田はあまり違いがありませんので、普通に広島弁が使えます。自然ですし、会話が楽です。

さて、実を言うと、私は、外食が好きではありません。特に最近はほとんど自分で作って食べるようにしています。差し入れがあって、そのまま食べればいいようなものであれば、喜んでいただきますが、それでも、ご飯と味噌汁は、即席ものを使ったりしても、自分で工夫して、自分で作って食べるようにしています。

清瀬の駅前南口ふれあい道路や小金井街道、志木街道、所沢街道に面して沢山の食堂があります。食堂というより、ラーメン屋、焼肉屋、ファミリーレストラン等が軒を並べて開業しています。清瀬駅の北口も、美味しそうな食堂が並んでいます。インド料理、ヴェトナム料理、タイ料理、韓国料理とその国お名前を全面に出したレストランもあります。

あと10年も若ければ、その食堂を、かたっぱしから食べ歩いたかもしれません。食べるのは好きなほうでした。しかし、年は争えません。たくさん食べられないし、油や塩は体に響きます。となると、自分で自分に合うように調節していただくしかありません。時々、肉もいただくし、脂ぎった物もいただきます。でも少量です。適当に野菜をとるのは難しい宿題ですが、なんとかしています。

料理というほどではありません。冷蔵庫を開け、買い物をしてきた食材を、自分なりに、切ったりちぎったりして食卓にのせて、順番にいただくというのは楽しいことです。独り者ですし、のんびり暮らすということは許されない職柄です。かなり規則正しさが要求されます。責任もあります。その生活を支えてゆく鍵の一つは食事です。

「神父さん、お好きなものは何ですか。」と聞かれます。何とも答えが出てきません。その時その時、神様が与えてくださったものを、ありがたいなーと思いながらいただくことが答えです。実際は、冷蔵庫にあるものと、買い物をして買ってきたもの、それを材料にして簡単に作った手料理です。

司祭の定年は75歳です。しかし、与えられ、受け取った定年は82歳です。明日もわからない命ですが、1日1日を大切に、イエス様と同行二人で生きてゆきます。

図1